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世界の人口爆発で食糧危機って本当?問題と対策を詳細に調べてみた

最終更新:2019-03-05

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※この記事は書きかけですが、途中まで公開しています。文字数が多いため時間があるときに読むことをおすすめします。

この記事の参考文献はこちら (パソコンで閲覧の場合、別タブで一覧ページが開きます) 

はじめに

世界の総人口がいずれ100億人になると知ったとき、嫌~な予感がしました。

ヤバい食糧不足になる!(>_<)

 

筆者だけでなく多くの人が同様の想像を膨らませたかもしれません。

 

ところが食糧問題について情報不足のまま、人口過多=食糧不足と安直に不安になっているだけであったと我が身を振り返った筆者は、食糧危機の懸念についてもっと詳しく調べてみることにしました。

 

食糧危機の出所は2008年の穀物価格の高騰

2007年~2008年穀物の国際価格が急騰し、食糧の欠乏や高騰に対処するため、30ヶ国ほどの輸出国が農産物によっては輸出を制限しました。

9つのアフリカ諸国、エクアドルボリビア等。アルゼンチン、ベトナム、インド、インドネシアカザフスタン、ブラジル、といった国々も輸出制限・延期を検討していました。

 

この非常事態によって国内市場にも影響が及んだ20~30の途上国で暴動やデモが起きています。

日本でも大正時代に「米騒動」があったね。

 

以下は穀物等の国際価格の推移です。

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出典:農林水産省

見てのとおり2008年に急激な高い山ができていますね。食糧価格が値上がりすると、日本のように食料調達の大部分を輸入に頼っている国々は食料が手に入りにくい状況に陥ってしまいます。

 

また、2010年にロシアで干ばつが起きたとき、ロシアも食糧の輸出を禁止する措置をとりました。

地球温暖化により異常気象が頻発している昨今、 穀物生産国が自国優先で今後も輸出規制を実施する可能性が高まる事例となりました。

 

 

次は【2000年~2018年の穀物生産量、消費量、期末在庫率の推移】。

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出典:農林水産省

消費量・生産量が伸び続けています。

これは中流層が多数出現した新興国穀物需要が増大したことと、相次ぐ干ばつ等による不作から期末在庫(次期に繰り越される在庫)まで食い潰される勢いで生産量も伸び続けてきました。

しかし、近年は豊作により期末在庫率も2000/01年度当時の水準に回復しています。それに伴い国際価格も低下していきました。

 

回復したから良かったものの、この2つのグラフを見ると食糧危機を危惧する人たちがいたのも無理はないと思いました。

それも実際、食料価格の高騰で暴動が起きたり輸出規制まで実施されたのですから。

 

 

2008年世界食料価格危機の原因についてはこちら

2006年の暮れから始まった食料価格の高騰の最初の原因は、穀物生産国における旱魃原油価格の上昇だった。原油価格の上昇は、肥料、食料の輸送、工業化された農業に影響を与えた。他の原因は、先進国におけるバイオ燃料の利用、[1]アジアにおける中産階級の増大とそれによる食生活の多様化による需要(特に肉類)の増加[2][3]が可能性として挙げられる。これらの要素と世界の食料備蓄の減少が絡み合い、劇的な世界的食料価格の高騰に繋がった。

 

出典:ウィキペディア

 

2007年以降日本でも食糧危機を懸念する書籍がポツポツ発行されています。 

Newton まもなくやってくる 100億人時代ですが、例えば科学雑誌ニュートンの特集で世界総人口が100億人になると取り上げたのは、国連の人口予測に足並みをそろえた2012年6月号でのことです。

となると大衆が人口爆発による食料不安を認識したのも、この頃からかもしれません。


人口増加傾向は穀物価格の動向に注目していた投資家などはとっくに気づいていたに違いありませんが、安直な想像ではなく2008年以降に起きた事件の数々が食糧危機の現実味を帯びることとなったのです。
 

1960年代後半~1970年代前半にも人口爆発による食糧危機が騒がれていた

穀物の生産量は20世紀から伸び続けてきた

先ほどのグラフで穀物生産量は今日に至るまで伸び続けていることがわかりますが、これは現代の21世紀からではなく20世紀からのことです。

では、どうやって穀物の生産量を増やしてきたのかというと、単収(単位面積あたりの収穫量)を増やしてきた成果だったのです。

 

「メンデルの法則」で有名なメンデルさんの功績が認められたのは1900年ごろ。わりと最近の話です。

メンデルさんはすでに亡くなっていましたが、彼の実験がもたらした遺伝学は20世紀の穀物生産量を劇的に増加させる重要なファクターになりました。

 

f:id:start20171212:20190210105632p:plainそれまでは収穫量を増やすには農地面積を拡大するしかなかったのですが、メンデルの発見した遺伝の仕組みを応用して品種改良によって収穫量の多い穀物の種子を誕生させることに成功しました。以来、20世紀の穀物の単収は爆発的に倍増します。


グレゴール・ヨハン・メンデル

出典:ウィキペディア

 

ちなみにメンデルさんはエンドウだけでなく、その後トウモロコシ(穀物)でも実験していました。今私たちが生きているのはメンデルさんの実験による遺伝の仕組みの発見が遠因になっているのかもしれない逸話ですね。

さらには現代のバイオテクノロジー、ゲノム編集といった、未来の食糧危機を解決するかもしれない期待の分野に発展しています。この辺の話は別章で後述します。

 

といっても20世紀の生産量が跳ね上がったのは、種子だけではなく化学肥料、殺虫剤、新しい機械の導入といった農業技術の発展の賜物でもあったのです。

こういった、1960年代以降に穀物の生産事情を好転させた出来事は緑の革命と呼称されました。

 

②インド・中国は飢餓で大量の死者が出ると不吉な予言がされた

近年ワクチンや衛生管理によって健康に長生きする人々が増えた結果、20世紀初頭で約20億人だった人類の総人口は、1970年ごろには約35億人にまで膨れ上がっていました。

現在の75億人からすると20億~35億人ぐらいが感覚的にちょうどいいとも思えますが、この時代でも未曾有の人口爆発による食糧危機が騒がれていました。

 

それもインド・中国の人口は今と同じく懸念材料で、1968年(アメリカでの発行年)『人口爆弾』というベストセラーでも「飢餓で大量の死者が出るまでに残されている時間は、10年程度だ」と悲観論が述べられました。

人口爆弾 (1974年)

人口爆弾 (1974年)

 

 

有名どころでは1798年イギリスの思想家トマス・マルサスが書いた短いエッセイ『人口論』にて、きちんと計算した予測に基づいて「人口増加に伴い、飢餓の拡大は不可避である」と予想されていました。

 

実際、日本も戦後は貧困にあえいでいましたが、20世紀半ばまで全世界の大半が食糧難に陥っていました。

中国では1958年から1962年にかけて大飢饉によって3千万人が餓死し、1944年ごろにはインドでも3百万人が犠牲になっています。インドは1960年半ばも大凶作の中、人口増加で米と麦の生産量が追いつかず、慢性的な飢餓状態が続いていました。

 

しかし予言ははずれます。

その後トウモロコシだけでなく小麦・米も品種改良によって収穫量が増大し、収穫量の多い種子・機械化・灌漑に地下水を利用するなどアジア全体、世界各地に新しい農業技術が普及し、世界の食料不足・栄養失調を改善するどころか生産量を大躍進させました。

 

「歴史は繰り返す」に近い事例が50年前にも起きていたんだね。

 

日本政府は不測の事態に備えて食料安全保障指針を策定している

さて仮に食糧危機が来たとしても、ひとまずご安心を。国はちゃんと対策を用意しています。

緊急事態食料安全保障指針:農林水産省

 

下記は(平成30年度)国の農産物備蓄の状況。【出典:農林水産省

品目 概要
政府備蓄米の適正備蓄水準は100万トン程度
食糧用小麦 国全体として外国産食糧用小麦の需要量の2.3ヶ月分
飼料穀物 とうもろこし等の飼料穀物85万トン程度を民間備蓄
※民間備蓄で対応が困難な場合は、政府所有のミニマム・アクセス米のうち35万トンを活用

  

何かあったら公的備蓄を活用するようですが、一応家庭での食料品備蓄ガイドラインもありますので目を通してみてはいかがでしょうか。

 

2008年初頭、日本の政府当局は自国の食糧確保の安全を理由に、輸出国が行った自由貿易の制限に対してもちゃんと抗議しています。

日本はWTOに対し次のような提案をした。

「制限を課す国は、WTOに対し制限内容を90日前までに通知し、これを審議するものとする。さらにこうした措置は、一年以上は適用できないものとする」。

 

備考:WTO世界貿易機関 

出典:世界食糧ショック―黒いシナリオと緑のシナリオ

  

とはいえ、どこまで行政があてになるかは不明瞭ですから、基本は自力本願で危機に備えておいた方が確実かもしれません。

 

食糧とエネルギー生産の現在進行形プロジェクト

国連は食糧危機の解決に昆虫食を推奨

 f:id:start20171212:20190227233642j:plainFAO(国際連合食糧農業機関)は2013年、世界の食糧危機の解決策として、昆虫食の活用を推奨する報告書を発表しています。

 

昆虫食は一部日本の地域でも風習がありますが、大多数の馴染みのない日本人の間で普及する可能性は低いかもしれません。

ですが、昆虫を粉状もしくはペースト状に加工し他の食べ物と混ぜて使用したり、昆虫は栄養価が高いため栄養補助食品としても活用できますし、様々な傷病を癒す薬としても利用されています。

 

人間の食用だけでなく水産養殖や養鶏の飼料(エサ)として、今後はそちらの方面で実用化するのではないかと予測され、起業・雇用の創出も期待されています。

昆虫養殖は畜産ほど土地や水を必要とせず、人間・動物の生活廃棄物を餌にすることから、環境的にも利点があります。

 

世界では1900種類以上の昆虫類が食べられています。

病気や寄生虫が人間に伝染した事例は知られていないそうですが、国連では甲殻類アレルギーや感染症の危険性がないかの調査とともに、昆虫食文化が消費者に浸透するよう取り組んでいます。

 

食物は工場での人工栽培になる? 

ニュートンの特集では、100億人を養うための食糧とエネルギー生産が課題であることはもちろん示唆していますが、その解決策も掲載しています。

Newton まもなくやってくる 100億人時代

Newton まもなくやってくる 100億人時代

 

 

例えば穀物の自然栽培を続けるのは環境的に難しいため工場での人工栽培を可能にする研究が進められているとか、エネルギーは太陽光発電のコストが下がれば普及されるとか、高齢者はロボット介護になるとか、

現在進行形プロジェクトにフォーカスした具体的な内容になっていて、まったく不安を煽るような特集ではありません。

 

 以下ニュートン2012年6月号の特集人類はどこまでふえるのか?地球100億人時代のもくじ

■プロローグ 人口爆発の時代

・急激な人口増加 ここ数百年の人口増加は、まさに“爆発”

・70億人の多様性 人口増加は、経済の発展と関係がある

 

■part1 人口増減のメカニズム

・地球の定員 人間の増加も、培養液中の大腸菌と同じ運命にあるのか?

・定員を拡大する人類 人類は、地球の“定員”を拡大しながらふえてきた

人口爆発の原因 「多産多死」から「少産少死」への転換が人口を爆発させた

・人口の高齢化 「少産少死」となった国は、必ず高齢化が進んでいる

 

■part2 100億人の時代

・今後の人口予測 2083年、人口100億突破ーー国連予測の根拠とは?

・地域別に見る人口予測 アフリカは21世紀もふえつづける。一方アジアは……

・食糧とエネルギー “農業生産向上”と“新しいエネルギー源の開発”が課題

 

■part3 

・100億人時代の食糧生産 「イネ工場」は農業に革命をおこせるか?

・100億人時代のエネルギー 無尽蔵のエネルギー源として期待の太陽光。普及の課題とは

・100億人時代の高齢化と労働力 高齢化で生じる人手不足を、人とふれあうロボットが補う

・100億人時代の寿命と健康 長寿遺伝。子の発見が“超長寿命”時代のとびらを開く 

 

また、ニュートンでは国連のデータにもとづき、今後東アジア人の人口増加はピークを迎え、中東の西アジア人・アフリカ人の人口が増え続けていくと述べています。

これまで様々な科学者たちが算出した「地球の定員」は40億~160億人の範囲だそうです。

 

 

 

すみません、書きかけの記事です。

まだまだ加筆するネタがあるのですが、情報収集が完了するまでしばらくお待ちくださいませ。

 

【2019/06/08追記】

すっかり放置して申し訳ありません。情報源が本なので、読書⇒頭の中で編集⇒記事に書き起こすというプロセスで時間がかかります。

 

そこで結論から言ってしまうと、食糧問題・地球温暖化・エネルギー問題・海水酸性化の解決策として、近年、大気中からCO2を回収し、燃料に変換する実験が成功しています。

 

また、2019年4月の『TED』で植物遺伝学者ジョアン・コリーが、空気中の二酸化炭素を吸収して地下に収蔵する植物の働きを拡張しようと試みている計画を発表しました。

  

この研究によって、遺伝子編集技術が施された「炭素を豊富に作り出す植物」を植えると、農地に必要な栄養素である窒素やリン酸塩・硫黄・ミネラル・水分も保持できることが明らかになっています。

さらに実験を進めていくことによって炭素が豊富になった土壌は土質が変わり、食糧生産だけでなく気候変動の問題解決にもなることが期待されています。

 

CO2問題解決の糸口が見え始めてきて、驚きの展開です。

 

というわけで、案外未来は明るいのかもしれないですね。